TOKYO MARTECH BLOG

MarTechのトレンドや要素技術、各種サービスについて取り上げて紹介していきます。

古くて新しい「MarTech」が顧客体験を進化させる

スタートアップ界隈では、「X-Tech」というように「Tech」が付く用語がよく利用されます。 例えば「FinTech(Finance×Technology)」や「EdTech(Education×Technology)」など。 そのなかに、日本ではまだ馴染みのない言葉ですが、「MarTech(マーテック)」という言葉もあります。

「MarTech」とは

f:id:biblichor:20180511002242p:plain

「MarTech」は「Marketing×Technology」の略で、「新技術を活用して企業のマーケティング活動を支援すること、またはその要素技術」のことを指します。 しかし、それだけであれば「Yahoo!検索ディレクトリ」の昔から提供されていたものです。 ではなぜここに来て「MarTech」が注目を集めているのでしょうか。

「MarTech」への期待

2018年現在において「MarTech」が新しい意味合いを持つのは下記の理由からと考えています。

1. 既存のマーケティング活動に対する変革への期待

他の「X-Tech」もそうですが、ITなどの新技術が新興市場を形成するだけでなく、既存のビジネス活動に対する大きな変革が期待されるにようになったことが、「MarTech」という言葉の生まれた背景にあります。 企業のマーケティング予算内におけるデジタルマーケティングの比率は高まる一方。それだけでなく、マーケティングの成果を評価し選択するための中心的存在として、デジタルマーケティングが他のマーケティング施策にとってもなくはならないものとなりつつあります。

広告業界の名言に

『広告費の半分が金の無駄使いに終わっている事はわかっている。わからないのはどっちの半分が無駄なのかだ。』(by ジョン・ワナメーカー)

というのがありますが、デジタルマーケティングの勃興によりこういった世界は昔のものとなりつつあるのです。

「オムニチャネル」などの名のもとに、テレビCMやDM、ロードサイド広告など、「どっちの半分が無駄なのか」分からないような既存のマーケティング活動にメスを入れていく。それが「MarTech」という言葉のもとに期待されているのです。

2. デジタル広告の限界感

検索連動型広告コンテンツマッチ型広告などでテールを拾っていけば広告の費用対効果を改善していける時代は今や昔。「ロングテール」なんて言葉、最近じゃ死語ですもんね。

  • ユーザーの広告へのスレ
  • オークションにおける広告単価高騰
  • アドブロック

などの逆風のなか、デジタルマーケティング担当者は会社から前年以上の目標と予算を渡され続けます。 そういったなかでテクノロジーを活用したブランディング、ナーチャリング(=見込み顧客育成)への期待は強く、それが「AdTech」ではなく「MarTech」への期待として表れています。

3. マーケティングに活用できる技術の進化

など、マーケティング応用できる技術の進化も背景にあります。 例えば大量データが必要なディープラーニングは、アクセスログなどにより大量のデータが(相対的に)低コストで収集できるウェブデータ解析を通じて検証されることで技術自体の進化が進んできたそうです。

日本発の「MarTech」を

デジタル広告の均一化

刈り取り型については広告予算の7割以上を占めるGoogleFacebookの言うことを聞くしかなく(品質スコア、入稿審査等々)これから機械学習による均一化が進んでいくと、全企業のウェブ広告が70点で横並びになるような状態が進んでいくのかなと考えています。 そうなると「プロモーション」における差異化は非常に難しくなっていきます。 では何によってマーケティングの差異が生まれるのか。商品サービスそのものか、マーケティング・コミュニケーションしかありません。

ウェブプロモーターからマーケッターに

逆にいうと、機械学習がプロモーションのパフォーマンスを均一化するからこそ、丁寧なマーケティング・コミュニケーションと、その前提となる「コンテンツ」(商品サービスが紡ぎ出すストーリー)が、100点を超えるようなブレイクスルーを作れるんだと思います。 逆にいうとこれは、今まで事実上その関心事が広告の運用に収斂していた「ウェブプロモーター」がマーケッターに進化していくということでもあります。

日本発の「MarTech」を

そしてこれは、日本ならではの「おもてなし」に近い世界観でもあります。 GoogleFacebookのようなプラットフォーム側としてある種均質的な広告による出会いを提供するのではなく、個々の事業者を支援し、デジタルマーケッターが機械学習による均一化のうえに、より適切な消費者とのコミュニケーションを成立させるための支援をすること。 そういった「MarTech」の領域においてこそ、日本発のテクノロジーやサービスを生み出していきたいものです。

本ブログでは以降、

  • MarTechの要素技術
  • MarTechの各種サービス
  • 世界/国内のMarTechトレンド

などについて紹介していきたいと思います。