TOKYO MARTECH BLOG

MarTechのトレンドや要素技術、各種サービスについて取り上げて紹介していきます。

マーケティングコミュニケーションを語源から考える

コミュニケーションとは

  • 「もうちょっとコミュニケーションを取ろう」
  • 「あいつはコミュ力が高い」

などと、ふだん何気なく用いている言葉。 コミュニケーションを直訳すると、「意思疎通」。 でもこれだとコミュニケーションの本質はぼやけてしまいます。

コミュニケーションの語源は「共有」にある

たまたま読んでいた本でその語源と定義を紹介していました。 なんでも、この言葉の語源は、ラテン語の「Communus(コミュナス)」から来ているということ。 コミュニケーションとは、こちらの脳にあるイメージを 相手に伝達すればいいということだけではなくて、 自分の脳にあるイメージと相手の脳にあるイメージを“共有する”ということに核心がある、 ということのようです。

コミュニケーションとは、要求である

ちなみに、例えばドラッカーによるコミュニケーションの定義は、「マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則」によると下記の通りです。

  • 「コミュニケーションは要求である」
  • 「コミュニケーションとは、知覚である」
  • 「コミュニケーションとは、期待である」
  • 「コミュニケーションとは、情報ではない」

コミュニケーションとは、つまるところ要求だと考えます。 相手に何かになること、何かをすること、何かを信じることを要求するから コミュニケーションが発生する訳ですよね。 コミュニケーションは要求から始まる意思の発信とその受容である。 と考えるとわかりやすいと思いませんか?

コミュニケーションとは、知覚である

情報というのは本質的には記号です。 例えば、「Customer Data Platform」という記号があるとき、 その記号が何を意味するかを知る前提になる一定の基盤がないと、 受け手がその情報を作った発信者以上にそれを知ることはできない。

「大工と話すときは、大工の言葉を使え」と呼ばれるように、 相手の知覚に訴えかける方法を利用しないと コミュニケーションが成立しない訳です。

コミュニケーションとは、期待である

知覚の前提には、本人の抱いている期待があります。 人間、期待していないことは知覚ができないからです。 相手の知覚に訴えかけるためには、 相手がどんな期待をしているかを知る必要があります。

マーケティング・コミュニケーション

マーケティングにおけるコミュニケーションとは。それを提唱したのが4Cの理論です。

マーケティングの4P→4C

マーケティングの4P(Product、Price、Place、Promotion)は有名な概念ですが、 それに取って代わる概念として提唱されたのが4Cです。 Wikipedia)から引っ張ってきてみると、、

  • Consumer(消費者のニーズとウォンツの解明こそが商品である。) ←Product
  • Cost(価格はコストの一部。消費者は商品の価格だけではなく購入コスト、時間コストを費やしている。) ←Price
  • Convenience(場所ではなく買い易さが大切。) ←Place
  • Communication(広告は売り込むのではなく納得させること。) ←Promotion

4P理論が企業側から見たマーケティング・ミックスであるのに対して、 顧客側から見たマーケティング・ミックスが4Cであり、これからの(提唱された1993年以後の)時代は 顧客視点から始まるアウトサイドインの4Cがより重要という考え方です。

そして、ここに「プロモーション」に代わる言葉として「コミュニケーション」が入ってきています。 つまり商品サービスの価値を「売り込む」のではなく、「共有する」という接し方こそが 今のマーケティングに必要な要素だということです。

マーケティングを適切なコミュニケーションへ

とはいえまだまだ不適切なコミュニケーションが多いのがマーケティングの世界で、 例えば広告をいろんなところに潜ませようとする企業と そこに対してどんどんスレていく消費者のイタチごっこなんていう構造があったりして。

そこを技術の力で適切化していくところに、チャレンジングで面白い領域が広がっていて、 そしてそれこそが(例えばAdtechではなく)MarTechといったカテゴリーが生まれ注目を集める理由でもあると思います。

デジタルマーケティングでコミュニケーションを拡張する

とはいえMarTechの現状はまだまだ半人前です。 「ゼロ」と「イチ」から始まったデジタル・コミュニケーション。 その性質上、コミュニケーションの手法が情報偏重で、 結果としてコミュニケーション効率にまだまだ課題があります。 それはマーケティングにおける企業と生活者のコミュニケーションにおいてももちろんです。

まだまだ貧弱なデジタル・コミュニケーションの「動かす」力を 知覚・期待の両面において改善すること、 そのためにマーケティング力・技術力を協創させることが これからのMarTechには不可欠でしょう。

それは例えば、

  • 生活者に対するOne-to-Oneマーケティングであり、
  • ウェブからLINE、店舗に至るオムニチャネルでのコミュニケーションであり。

生活者の<期待>を知り、ときにコントロールし、 <情報>を、適切な量で、ベストタイミングで届け、 生活者の<知覚>に合わせて生活者を動かすこと。

それをデジタル・コミュニケーションの世界で実現できた先には、 たくさんのワクワクする顧客体験が待っているんだと思います。

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