TOKYO MARTECH BLOG

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「AI接客」は人の心を捉えるのか

Web接客」や「チャットボット」の今後を占ううえで、「AI接客」が人の心を捉えうるのかは重要な論点で、ロボット工学でもこのような観点からの実験結果が生まれています。

ロボットによるリアル接客実験

ロボット工学で有名な石黒教授の実験で、大阪タカシマヤで「接客アンドロイド」(人形型のロボット)により洋服を販売するという実験があったそう。

結果は、平均の店員の販売額を超え、2週間で60万円。 この結果、「AI接客」を考えるうえで大変興味深い結果だと思います。

理由の分析としては、

  • ロボットならいつでも断れるため接客される抵抗感がない
  • ロボットなら嘘はつかないという安心感

逆に、

  • 人間の店員だと相手にすると断ることにプレッシャーや面倒を感じる
  • また嘘やお世辞を言われているのではという疑いも持つ

とのこと。

チャットボットの理想と現状

いっぽう、デジタル接点における販売におけるロボットの利用の現状はどうでしょうか。この観点で注目を集めているのは、マーケティングや販売へのチャットボットの活用でしょう。

ただ2018年現時点で話を聞く限りでは、カスタマーサポートとしてのチャットボットは機能し得るものの、One-to-Oneマーケティングやセールスの観点からでいうと、やはり有人チャットのほうに軍配が上がるようです。

カスタマーサポートとして成果を上げやすいのはFAQ型チャットボット(顧客から受けた質問内容を理解し、データベースの中から適切な回答を返信するもの)のようです。

体系だったデータを取り込ませることで文脈に応じた回答を返すという点ではワークしますが、ユーザーのニーズや機微を理解し、それにあった当意即妙な提案をするという点ではまだ人間に及ばない、ということでしょう。

リアルロボット接客に一日の長

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unsplash-logoAndy Kelly

リアル販売のほうがよりロボットに違和感を感じやすいかと思いきや、リアル販売のほうが販売実績を出せるというということはなかなか興味深いところです。 「Pepper」のユーザーエクスペリエンスなどを見ていても、視覚・触覚などの五感に満遍なく訴えることが、結果としてロボットへの親しみやすさにつながり、販売実績につながる効果があるように思います。 となるとデジタルなインターフェースに限られる「チャットボット」において有人チャット以上の成果を生み出すのはなかなか課題が大きいのかもしれません。

デジタルでAIと「対話」する未来へ

とはいえ、デジタルでのマーケティングやセールスの局面でも、「チューリングテスト」に合格する日はそう遠くないのでしょう。

そうなると、たとえば「Web接客」は、リアルでの接客も含む「AI接客」とでもいうべきものに拡張されていくんだと思います。

その際にはそのインターフェースも、ウェブブラウザでサイトを閲覧するといったUIではなく、例えば音声のみ、チャット画面のみといったインターフェースが中心になっていくのかもしれません。

そのなかで、マーケティングの担い手は、

  • どんなデータを取り
  • 誰にターゲットし
  • どのようなコミュニケーションを取っていくか、

といった観点においてPDCAを回しながら、こうした広がるチャネルにおけるマーケティング活動も最適化させていかなければなりません。 それをコントロール化におくためには、適切なユーザーデータの収集・分析のプラットフォームも必要でしょう。

こういった未来を重荷とみるか、チャレンジとみるか。そこに、マーケッターの挟持が問われているように思います。