TOKYO MARTECH BLOG

MarTechのトレンドや要素技術、各種サービスについて取り上げて紹介していきます。

マーケティングテクノロジストというキャリアパス

マーケティングのプロとテクノロジーのプロが半々に混じった最高のハイブリッド」としてのマーケティングテクノロジストというキャリア。 国内ではこのキャリアに関するUSの動向が2015年頃に数回紹介された 1 あと、2017年に西井敏恭氏がオイシックスドット大地株式会社の執行役員CMT(チーフマーケティングテクノロジスト)に就任したことで再び注目を集めたように思います。

マーケティングテクノロジストとは

マーケティングと技術を統合し、ビジネスを前に進める存在で、ブランディング、コンテンツマーケティング、データ管理を含め、マーケティングのあらゆる側面を任されています。

マーケティングテクノロジストの必要性

下記のような理由から必要とされています。

  • マーケティングプラットフォームの複雑化に伴い、マーケッターへのテクノロジー的な要求が高まってきた
  • 広告が世の中に溢れていることから消費者へより強く訴えかけるクリエイティブな手法の必要性が高まってきた
  • 両者の専門家の数が増えてきたことにより両者の意識に大きなギャップが芽生え、両者の知識を橋渡ししてシナジーを高めることのできる人間の必要性が急速に高まってきた

マーケティングテクノロジストの専門領域

マーケティングテクノロジストの専門領域については、「ハッキング・マーケティング 実験と改善の高速なサイクルがイノベーションを次々と生み出す (MarkeZine BOOKS)」のスコット・ブリンカー氏が下記のように定義しています。 2

  • データ分析:デジタルマーケティングの燃料であるデータを管理・測定・操作できる
  • マーケティングソフトウェア:マーケティングソフトウェアを設定・運用・統合できる
  • 広告ネットワーク:デジタル広告のエコシステムを管理・最適化できる
  • ソーシャルメディアFacebook, Twitter, LinkedInやそのツール、APIなどに通じている
  • コンテンツマーケティング:コンテンツマーケティング・特にSEOの全体を案内できる
  • Webの構成技術:ウェブやブラウザプラットフォームを正確に理解している
  • ソフトウェアプログラミング:技術の共通語であるコードの読み書きができる
  • IT運用:クラウドを活用したり、IT部門と協力に連携したりできる

類似のキャリアとの違いを整理すると、大まかに下記の通りとなります。

マーケティングテクノロジスト データサイエンティスト ウェブエンジニア
データ分析          
マーケティングソフトウェア  
広告ネットワーク       
ソーシャルメディア      
コンテンツマーケティング  
Webの構成技術        
ソフトウェアプログラミング  
IT運用           

つまりマーケティングテクノロジストには、マーケティング領域とテクノロジー領域の横断的な知識が同時に要求されるということです。

マーケティングテクノロジストというキャリアパス

国内では先に取り上げたオイシックスドット大地株式会社以外には、株式会社ベーシック、株式会社電通デジタルくらいしか明確にマーケティングテクノロジスト(あるいはチーフマーケティングテクノロジスト)を職種や役職として位置付けている事例は聞かないように思います。各企業で実質このような業務に横断的に携わっている人も、職種上はエンジニアあるいはマーケッターとしての評価を受けたり転職活動をしたりするキャリアパスを歩むことになっているのが現状です。

結果、

  • このようなマーケティングとテクノロジーの知識を橋渡ししてシナジーを高めることのできる人材を必要としている会社側
  • そういう人間になれる素養のある人材側

との間にミスマッチが発生しているように思います。

今後、マーケティングテクノロジストという職種が国内でも一定の専門領域を持つプロフェッショナルとして地位を占めるようになれば、エンジニアあるいはマーケッターからマーケティングテクノロジストになっていくキャリアパスも一般化し、結果、このようなミッションに対する需要に対して供給ができるようになっていくのではと思います。

併せて読みたい

ハッキング・マーケティング 実験と改善の高速なサイクルがイノベーションを次々と生み出す

スコット・ブリンカー/東方 雅美 翔泳社 2017年05月15日
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