TOKYO MARTECH BLOG

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セカンドパーティーデータの今

EU一般データ保護規則、いわゆるGDPRの施行によってセカンドパーティデータが改めて注目を浴びています。

矢野経済研究所による調査でもセカンドパーティーデータに注目が集まるという予想がされています。

セカンドパーティーデータとは

セカンドパーティーデータとはそもそも何でしょうか。 これに答えるには、ファーストパーティーデータとサードパーティーとの違いを示すのが一番でしょう。

セカンドパーティーデータ

※出典:1st, 2nd and 3rd Party Data - What You Need To Know | Smarketing Cloud

ファーストパーティーデータ

ファーストパーティデータは、企業がその消費者から直接収集したデータを指します。 例えば企業のウェブサイトに直接訪問したユーザーデータのほか、ニュースレターやセールスなど通じて得られたデータがこれにあたります。

一番信頼性の高いデータですが、特に潜在顧客のデータが少なく、データの規模は限定的となります。

サードパーティーデータ

DSPなどのデータ収集者がデータを収集してセグメントに集約し、販売しているデータを指します。 国内だと「Intimate Merger」「Audience One」、グローバルだと「BlueKai」「Lotame」などが有名です。

データの種別は多岐に渡るいっぽう、データの加工プロセスや鮮度が不透明で、信頼度は下がる傾向にあります。

また、サードパーティーデータには逆風が吹きつつあります。

その1つにAppleのSafari11.0から搭載される「Intelligent Tracking Prevention」、いわゆるITPもあります。 これはプライバシー保護の観点から、機械学習を用いてサイトをまたがって追いかけるトラッカーを特定するというもので、 Webサイトをまたがってトラッキングできると分類されたドメインCookieは、24時間以内にユーザーによる再訪のない限り無効になります。 これにより、サードパーティCookieを使った広告の配信や計測には大きな影響が出ることとなります。

セカンドパーティーデータ

これらに対して、セカンドパーティーデータとは、基本的には他企業が直接収集したファーストパーティデータを指します。これを企業間で契約、同期したうえで自社のマーケティングに活用しようというものです。

  • 直接パートナー契約を結んでいる、信頼できるデータソースからのデータであること
  • 他企業による収集においてはファーストパーティデータとして取得しているため、データの維持期間を担保できること

から、サードパーティーデータに代わるデータとして注目を集めています。

いっぽう、こういったセカンドパーティーデータを利用するためには、企業間でのパートナーシップを結ぶことがハードルとなります。 企業間のパートナーシップには、契約面と技術面の双方で大きな障壁が存在し、これがセカンドパーティーデータがいまいち活用されない原因ともなっていました。

セカンドパーティデータをやり取りするマーケットプレイスの展開

いっぽうグローバルではこういったハードルを解決すべく、既にSalesforceAdobeが、セカンドパーティデータをやり取りするマーケットプレイスを提供してきました。

例えばOracleマーケットプレイスは下記のような管理画面でデータセラーと事業主を結びつけています。 データセラーには「Glassdoor」などの有名ウェブサービスが並んでいることからも、その潜在的な有用性が伺えます。

Oracle Marketing Cloud

プライベートDMPなどのベンダー側からすると、こういったマーケットプレイスの展開には利用企業をロックインするメリットがあります。 同一プライベートDMPを利用している企業同士に対して、そのDMPがエンドユーザーに発番する固有の識別番号をキーにして非個人情報を共有することは、技術面で利用企業へのメリットも大きいためです。

SaaS企業がリードするセカンドパーティーデータの今後に期待

前述の矢野経済研究所による調査でも言及されていた通り、政府も顧客情報(匿名加工情報)をビッグデータとして売買するための指針を発表しています。 顧客情報を収集している企業がその情報を匿名化したうえでデータ販売ビジネスを展開することは今後自然な流れになっていくことでしょう。

データの取扱いに慣れたDMPベンダーにより、セカンドパーティーデータ活用が普及することが期待されます。